【特別対談】ウッドショックについて語り合う2021.06.15

【特別対談】ウッドショックについて語り合う

メディアを通して世間を賑わせている【ウッドショック】問題。

実際にこれからマイホームを考えるお客様からの問い合わせもあり、

今日はキャロットホーム協力会社である木田源製材株式会社の木田源一社長をお迎えし、弊社社長 駒澤泰行と緊急対談を行いました。

 

キャロットホームが協力会社さんと整えるこれからの木材供給体制やキャロットホームに期待することなどを、語り合いました。

 

 

ウッドショック』

こんな言葉聞いたことはありますか?

 

本日はキャロットホームの木材を供給していただいている

【木田源製材株式会社 木田社長】とウッドショックについて、

そして今後の木材につ いてお話を伺いました。
駒澤 :ウッドショックの背景とはどのような事ですか?


木田社長 : それはですね、

第一次 1992 年 環境問題に端を発した南洋材⇒ロシア材米材⇒欧州材への転換が起きた円高と北欧材(ホワイトウッド集成材)の出現により収束。

第二次 2006 年 インドネシアの伐採制限に起因。合板の国産材化 国産材工場の大型化が起きた 。

そして今回は第三次と呼ばれ物不足への危機感は昨年秋口から 3 月より表面化し、4 月以降オイルショックになぞらえて「ウッドショック」という言葉で新聞紙上に出始めま した。

駒澤 : なるほど 過去の環境問題から端を発しているのですね。
住宅業界でも『木材がなくなる』、『家が建てられなくなる』など

先行きを不安視した 噂などを耳にします。

他の会社さんでは 実際に樹種の変更であったり 納期が出せ ない、材料が確保できない など いろいろなお話を聞きます。
木田社長 : 私共の所へも新規の業者さんからの材料確保や加工依頼がきますが 今までの お付き合いの所を優先に供給させていただいています。

一見さんはお断りさせてい ただいているのが現状です。

 

駒澤 : あっ  ありがとうございます。

背景は何となくわかりましたが、なぜこのようなことになっているのでしょうか?

分かりやすく教えてください

 

木田社長 :  要因は一つではなく 複数あります。
1,世界の木材需要の急騰による記録的な価格上昇 輸入木材製品及び原料の全面高(欧州材・北米材・北洋材・チリ・ニュージーラ・ンド) 軒並み 20~200%の仕入れ価格の上昇 国内販売価格への転嫁においてはまだ上昇の途上
2,国産材の木材自給率 37.8%(2020 年)約 6 割が輸入品に頼っている。 主に住宅業界に大きな影響(住宅の構造材が木材消費の大きな割合)
・製材品の輸入量の減少
・市場での物不足が表面化
・木材価格の高騰
・木材の供給量の減少により調達が難航
・工期遅れの発生
・収益の圧迫
そして、なんといっても主要因はコレ
3,昨年大統領選挙があった 米国(人口 3 億 3 千万)の旺盛な住宅需要
住宅着工件数 2020 年 138 万件(7%増)ここ 10 年間毎年昨年対比 3-7%の増加 2021 年 158 万件(14%増予測)~170 万件ペース
日本の住宅着工数 2020 年 81.5 万件(木造住宅約 6 割うち在来が 8 割)
ここ 10 年毎年増加しているなんてスゴイですよね
〇米国の住宅需要の伸びた背景

1)コロナで在宅勤務が増え、都市部の集合住宅から郊外一軒家への需要増

2)歴史的な低金利 30 年ローンで 3%

3)コロナ対策の現金給付と住宅ローンの支払い猶予⇒計 3 回で約 3200 ド)レ 4 人家族で約 140 万円頭金にして購入
〇日本だと住宅購入は一生の 買い物といわれるが アメリカでは 4 回家を買い替えると言われる
1回目 新婚小さなマンション
2回目 子供が生まれる郊外の一軒家
3回目 子供が小学生学区の良い地域の戸建て

4回目 子供が自立夫婦 2 人の小さな住まい
⇒アメリカの中古住宅は購入時よりも価格が上昇するから 日本は新築 85%中古 15%
アメリカ中古 83%で日本とは逆の比率
4,木材を輸送する背景にも課題があるそうだ。

コロナによりコンテナ不足 昨年前半に荷物が減少した為、 海運会社はコンテナ船の運航数を減らす
外出自粛の影響  港湾労働者やトラックドライバーの人手不足
駒澤 : 人出不足は人口減少と共に日本全体の問題ですね

輸入材が価格高騰や仕入れられないなら国産の木材を利用すればいいじゃないですか
木田社長 : 国産材の状況にも課題があります。
林業従事者の減少 森林の管理が適切に行えていない場合もあり⇒急には増産が 出来ない国産材でも価格の高騰や木材不足が起こっている。

大きな流れでは輸入木材の大きな波に揺さぶられないように国産材へのシフトです が、国産材の供給力や補助金頼みの原木の出材体制が足かせになり、今のところは国 産材だけで賄えるような状況にはありません。
実際に国産ヒノキ材などは皆無 供給できない状況にあります。
駒澤 : なるほど ウッドショックの要因が日本国内だけではなく世界的な情勢が影響しているのですね。

それでは価格の高騰については今後どのくらい影響しそうですか?
木田社長 : 試算してみました。

35 坪一件あたり 木材の材料価格の推移はどのくらいになるかというと
2 月の価格を基準とすると
5 月時点 5.0%アップ

6 月時点 26.9%アップ

8 月予想 39.5%アップ(予測)

 

駒澤 :  えっ !マジですか・・・
6 月 すでに上がってる?

木田社長 : 価格は上がっていますが 私たちはこの事態を予測し 材料をしっかりと 確保していますので安心してください
しかしコスト面においては多少の協力を得たいと思っています。

駒澤 :  木田社長!
材料を確保していただいている事は大変ありがたい事です。
木田社長のおかげで 私たちは安心してお客様に提供することができる。

しばらくはウッドショックの波にのまれるリスクは低そうですが コスト面においては私達、つくり手側も仕様であったり無駄のない プランであったり 効率の良いやり方や方法を常に改善していく努力が必要ですね。

特には昨年より力を入れているインテリアスタイリングについてももっともっと磨き、独自性を高めて 特別感をお客様へご提供できるよう にキャロットホームの魅力を高めていかなければなりません。
今回のウッドショックから 林業から製材、輸入木材の情勢も変わっていきます。

木田源製材さんや他の協力会社の皆様のご協力も得ながら 変化に対応できる企業へ 今日明日と一歩ずつ前進していきたいと思います。
木田社長 : キャロットホームの女性目線の魅力には期待しています。

私たちは材料供給に対する努力は惜しみません。

今後ともよろしくお願いします。ありがとうございました。
駒澤 :  木田社長 共にウッドショックを乗り切りましょう。

ありがとうございました。